わらづと納豆を作ろう
981107
さあ、いよいよ藁(わら)を使って納豆を作ってみましょう。
いままでは市販の納豆菌を利用して大豆を発酵させてきました。
今回は自然の中で生息している納豆菌を使って発酵させます。
準備するものは、
あらかじめ水に浸して十分に膨らんだ大豆を蒸します。
ふつうに蒸したら4〜5時間、圧力釜でも1時間以上かかると思います。
煮てもかまわないけれどもおいしさが水に逃げてしまうともいえます。
蒸した場合は大豆のサポニンという水に溶けやすい物質が多く残るせいでしょうか、ややえぐみが感じられます。
しかし、サポニンはコレステロールを低下させ大腸ガンを防ぐ働きがあるともいわれています。
煮た場合で、もっとも私が気になるのは大豆の薄皮です。
なぜか煮た場合は中途半端にはがれ食感を損ないます。
蒸した場合は全くはがれず少しも気になりません。
納豆菌は枯草菌(こそうきん)の仲間です。
納豆菌は至るところに居るそうですが、特に稲藁を好むようです。
納豆菌は気温が10から65度Cで活動し、40から45度C が適温で活発に活動します。
それ以外の温度や乾燥、栄養不十分の状態では、胞子になって適切な環境になるのを待ちます。
納豆菌は熱に強く100度Cでも10分以上耐えます。
そこで、わらづと納豆づくりでは雑菌処理のため藁を煮ます。
藁は葉っぱがあってもかまいませんが、軸だけ集めた方が扱いが楽ですし見た目もきれいになります。
まず、選んだ藁を水で洗い泥やほこりを落とします。
そして、藁を適当な太さに束ねます。
束の太さは直径3センチくらいでよいと思います。
束ねたら根本の方を藁で縛ります。
次に、束ねた藁を煮ます。よほど鍋が大きければ一度に煮ることもできましょうが、私は菜箸も使いながら根本の方からだんだんに沸騰したお湯につけていきました。
10分もつけているのは大変なので、それぞれの部位が3分ぐらい熱湯に使っていれば良しとしました。
わらづとの真ん中よりやや根本寄りをもう一カ所縛ります。
縛った2カ所の間の藁をひらいて蒸しあがった熱い大豆を盛ります。
穂先の方を折り返して蓋にします。2カ所縛ってできあがり。
保温する箱に入れて40から45度くらいのなるように保存します。
温度については過度に神経質になることはないと思います。
納豆の発酵には酸素が必要なので大きめの箱を使ってください。
2日後にちゃんと納豆になりました。雑菌も繁殖しなかったようです。
とても良くできました。
これからは藁がある限りは納豆菌を購入しなくても良さそうです。
今度はタッパーに大豆と藁を入れて作ってみよう。
(資料:納豆は地球を救う 原敏夫著 リバティ書房、)